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極道ピンポン

遠藤徹『極道ピンポン』はヤクザが卓球で対決する小説である。ヤクザの出入りが殺しあいではなく、卓球勝負になっている。何とも馬鹿馬鹿しい設定であるが、卓球の対決の描写も馬鹿馬鹿しいほど細かい。
途中で映画撮影の話になり、メタ作品かと思いきや、並行した物語になっている。最後は予想外の展開になった。思いもしなかった良い話で終わっている。表紙のイラストからは想像できない爽やかな読後感をもたらした。ヤクザは現実世界では反社会的勢力であるが、ヤクザだからこそ人を救えるというフィクション世界のリアリティーがある。
著者は学園小説『七福神戦争』を同時刊行している。これがラノベならば、本書は劇画的である。『七福神戦争』は人間の幸福という骨太のテーマを背景にしながら、最後は不完全燃焼気味で終わった。本書も何かの決着がつくという終わり方ではないものの、物語としては素晴らしい終わり方である。
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七福神戦争

遠藤徹『七福神戦争』はファンタジー学園ライトノベルである。黙っていれば美少女であるが、性格がぶっとんでいる女子生徒に冴えない男子生徒が振り回される展開は涼宮ハルヒシリーズに重なる。この涼宮ハルヒタイプは特別ではない男子生徒が何故か特別な女子生徒に見出だされ、話が進むうちに自身も特別ではない存在になっていくという矛盾を内包しがちである。これに対して本書は最後まで主人公は戦力外の扱いであり、一貫している。
幸福を振りまく七福神の生徒達に謎の転校生の三輪小角と彼女に引きずられた主人公が挑む構図である。美食が粗食になるなど本当の幸福とは何か考えさせられる。食材の味と値段が比例するというような拝金主義の浅ましさを否定する。
主人公と七福神のバトルは十分に面白く、含蓄がある。残念な点は新たな敵に対して共闘という二十世紀の少年漫画的な展開になったことである。拝金主義的な幸福に対する批判は深められなかった。七福神は結構悪どいこともしており、目の前の火を消すために共闘し、それで終わりとなると主人公側の倫理感が問われる。
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林田力Twitterまとめ 2018/07/02 [林田力hayariki]


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